夕食を食べながらアジアカップ準々決勝。オーストラリア戦。後半先制されるが、その2分後に高原のワールドクラスのゴールで追いつき、延長戦でも決着がつかずPK戦。オシムはいつものようにベンチに引き込み結果を待つ。やはり、能活はアジアカップになると運を引き寄せる男だ。最初のふたりのシュートは確実にゴールに突き刺さるはずだった。が右に左にシュートをはじき返す。そのあと日本は高原がはずすが中澤が決めて勝利。準決勝へコマを進めた。オシムはじつにサッカーをよく知っている。どんなに強くても運に見放されたらおしまいだ。実力と運がなければ勝てないのがサッカー。サッカーは結局のところ富くじとそう変わらないゲームであるということを、オシムは知り抜いているのである。清水諭先生もおっしゃるように、偶然性に強く支配されているのがサッカーで、それは野球にはない魅力である。ロッカールームで薄目をあけて試合の行方を見つめるなどということは、バレンタインには無縁のことなのだ。