香山リカさんから『仕事中だけ《うつ病》になる人たち』(講談社)を贈呈していただいた。昨今、30代に顕著な「うつ」が急増しているらしい。職場では不調だが、好きな趣味は精力的に行える。学歴が高く、まじめだが、やや自己中心的。自分が「うつ」であることの自覚が強い。一定のレベルで快復するが、なかなか復職に踏み切れない。不安感、恐怖感、あせりといった感情の動揺がひどい。などなど。こうした「30代うつ」は、個人のワガママや未熟な性格の問題と思われがちだが、そうとは言い切れない。現代社会が生んだ新しい病である可能性がある、と香山さんは見る。新たな病気といえそうな「30代うつ」はどんなひとなのか、そしてなぜ、今、増加しているのか。自らの臨床体験をもとにしながら分析し、香山さんはこう結論する。「うつは心のカゼ」といったソフトな言い方で、現実から目をそらすことがあってはならない。「30代うつ」をとりあえず新たな疾患単位として認め、早急にそれに見合った治療法や会社、家庭での対策が必要だと。確かに、見渡すと、ここであげられているような「うつ」らしい人はいる。しかし、これまで気にもかけていなかった。正直ぼくのような人間は少なくないように思う。みなさん、ぜひ一度読んでみてください。 仕事中だけ「うつ病」になる人たち??30代うつ、甘えと自己愛の心理分析