Sigur Rosのライヴ(SHIBUYA AX)を見る。Sigur Rosは、アイスランドの4人組アーティスト。ダークネスで深淵で唯美主義的なメロディと爆音の合体。音響派の異端児ともいえるその特異なパフォーマンスは、常に称賛で迎えられてきたという。実際に彼らの演奏に接してみて、それがウソでもお世辞でもないことがわかった。オールオーバーな音響世界は、あたかも氷の神殿の聖歌のようだった。去年FRFに出てたんだよな。ロスロボスのステージと重なり、そっちを優先したことが今になって悔やまれる。これを霧雨に包まれた山岳地の野外ステージで、しかも雨雲が低くたちこめるまったき夜に聴いたとしたら。ほとんど立ち直れずに、しばらくそのまま立ち尽くしていたにちがいない。とにかく凄いの一言。アイスランドといえばビョークが有名だが、この北方の国には、まだ知られていない怪物たちがたくさんいるのかもしれない。北極圏を越えたことはあったが、アイスランドにはまだ足を踏み入れていない。こんな音をつくり出すアーティストが暮らす土地とは、いったいどんなところか、俄然興味がわいてきた。Sigur Rosの音の源流を訪ねるという企画書でもつくってみようかな。「氷の国のまちづくり」とか。