香山リカさんから『貧乏クジ世代 この時代に生まれて損をした!?』を贈呈していただく。その数なんと1,900万人、「団塊ジュニア」と称される70年代生まれ。彼らは、ひそかに「貧乏クジ世代」とも揶揄されているらしい。その心的構造を探ってみると、「これまでよかったから、もういいことはない」「苦悩はないが未来に希望もない」「恋人、夫婦間で深い対話がない」「マニュアル本や自己啓発系の本を読みたがる」「不運の原因を「血液型」や「前世」に求めたがる」「勝てばまぐれ、負ければ自分のせい」「頑張っているとき以外は不安でしょうがない」「「自分探し」をしては欠点ばかりに気をとられる」「「こうしてもらいたい」と言葉で説明できない」「とにかく自分に自身がない」という言葉が飛び出してくる。確かに、70年代生まれの子たちをみていると、これらの言葉があてはまるような気がする。本書は、はたして彼らを励まし力づける「打ちでの小槌」となるだろうか。しかし、それにしてもなぜメディアは香山さんに期待するのだろう。じつは、今本当に求められているのは「香山リカ現象」の解明の方では、なんて。
貧乏クジ世代―この時代に生まれて損をした!?