郡山からJR東北本線で福島方向へ約1時間、金谷川駅につく。福島大学人間発達文化学類教授・阿部成治さんのインタビュー。コンパクトシティ論からみたドイツのまちづくりについてお聞きした。ドイツでは、80年代に「短距離で歩ける都市」ということがしきりいわれたそうだが、最近はほとんど聞かなくなった。それはおそらく、あらためて言わなくてもドイツ国内の各都市が、すでにそれを実現してしまっているからではないかという。また、こういう見方もできる。1992年にリオデジャネイロで開催された地球環境サミットで地方公共団体のイニシアティブとしてローカル・アジェンダに取り組むことが呼びかけられたが、ドイツでは多くの都市がこのローカル・アジェンダに取り組んでいる。ローカル・アジェンダの重点は都市計画よりも市民参加に置かれているようで、方向性としてそこにはコンパクトなまちづくりが当然のように含まれているからではないかと。いずれにしても、ドイツではコンパクトシティ論への関心は薄いらしい。もちろんいい意味でだ。それはともかくとして、インタビューを終えて帰りながら考えたこと。こんな山奥に大学をつくるのはやめたほうがいい。自然環境に恵まれた場所にあることが悪いわけではないけれど、大学はやはり市街地にあるべきものだと思う。少なくとも都市を研究する学生をこんなところに幽閉してはいけません。