うちで制作している雑誌のグラフィックページのために、何かランドスケープのいい写真がないかと探す。とくに、若い写真家の作品がいいと思い、写真集や雑誌、Webを見て回った。好みでいうと ロジカルで、強いストラクチャーを感じるもの。それで目に付いたのが次の作家たち。向後兼一、片山博文、斎木克裕、大井成義、筑紫拓也、石川直樹。どの作家も、風景を撮影する段階、あるいは撮ったあとになんらかの加工を施すことで共通している。で、気が付いたのだが、彼らのうちの何人かは、 art & river bankで展覧会をやっていたのだ。このギャラリー、女子美術大学助教授で美術批評をしている杉田敦さんらが運営をしている。同姓同名の政治学者とはもちろん別人。じつは、杉田さんは80年代の後半、ぼくと一緒に『談』を編集していたのである。no.39「理論のプレシオジテ」、no.41「プラクシス」、no.43「ファクト=生きられる社会」、no.45「リラティヴィズム」などは、彼の発案による企画だった。現時点で振り返ってみると、なかなかシャープでかつラディカルな特集になっていたと思う。彼は、その後批評家としていい仕事をたくさんしているが、写真に関してもいい鑑識眼をもっているなぁと、あらためて感心した次第。そうそう、彼の『白い街へ リスボン、路の果てるところ』『アソーレス、孤独の群島 ポルトガルの最果てへの旅』は、とてもいいポルトガル(紀行)論ですよ。