『TASCマンスリー』2019年7月号が発行になりました

『TASCマンスリー』2019年7月号が発行になりましたのでお知らせします。
なお『TASCマンスリー』は、『談』の発行元である公益財団法人たばこ総合研究センターの機関誌(月刊)です。購読等のお問い合わせは右のメールアドレスまで→info@tasc.or.jp

2019年7月号 no.523
表紙 嗜好品を嗜む…88
久住昌之 切絵・文
『カフェで日本茶さ』

Contents
[随想]給食の未来……藤原辰史
[新舞台言葉の花]桜三景……渡辺 保
[TASCサロン]選択のメカニズム……小山和伸
[特別シリーズ 情報テクノロジーの進展がもたらす近未来社会の姿を考える]
IoTとビジネス……三木良雄

IMG_5016

『談』no.115号が7月1日に全国書店にて発売になります

書店販売に先立ち、一足先に『談』ウェブサイトでは、各インタビュー者のアブストラクトとeditor's noteを公開しました。
右のメニューバーの最新号、no.115号の表紙をクリックしてください。

◉新虚実皮膜論……アウラの消滅と再生

内容紹介
人形浄瑠璃・歌舞伎の脚本作者である近松門左衛門の芸術論「虚実皮膜論」はすでに検証し尽くされたといわれています。しかし、そうでしょうか。この虚の意味するものは、いまだ大いなる謎としてわれわれの眼前に横たわっているです。われわれはそこに一つの補助線を引いてみます。ベンヤミンの重要な概念であるアウラの導入です。「いま・ここ」にしかない特有の一回性。複製技術の時代においてアウラは雲散霧消したかに見えました。ところが、アウラは生きていたのです。どこに? 皮と肉の間に。フィクションという新たな顔をもって。虚と実、その境界で戯れることの愉快  。

〈虚実皮膜と現代思想〉
虚/実の交錯……相対主義への内在

千葉雅也(立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授。専門は哲学、表象文化論)

現代のネット社会が、接続過剰で息苦しさを増し、圧迫的なコミュニケーションに陥っていくならば、それに対抗する別のコミュニケーションが必要です。そこで「接続〈と〉切断」を両義的にもつコミュニケーション、つまり適度に切断しながらもつながり続ける具体的な方法として千葉氏が挙げるのが「儀礼的社交」です。接続過剰の状況に風穴を開ける儀礼的社交的空間。「虚」と「実」が反転する空間で、儀礼的社交空間をいかにして組織するか。

〈虚実皮膜とミメーシス〉
フィクション、現実を宙づりにする
久保昭博(関西学院大学文学部文学言語学科教授。文学博士。専門は、文学理論、フランス文学)

なぜ人は、フィクション的な活動に好んで身を委ねるのでしょうか。あるいは逆に、なぜその行為を忌避する伝統があるのでしょうか。それまでのフィクションをめぐる議論を一新したのが、ジャン=マリー・シェフェールの『なぜフィクションか?』です。一言で言えは、フィクションとは人類に普遍的に備わる「心的能力」です。本書の訳者であり紹介者である久保氏によれば、この心的能力、すなわちフィクション能力は、端的にミメーシス(模倣・再現)をある特定の仕方で用いる能力であり、フィクションとは、「共有された遊戯的偽装」であると提起します。このきわめて「人間的」な営みであるフィクションについて、人間学的観点から考察します。

〈虚実皮膜とデジタルメディア〉
亡霊としてのメディア……模倣と感染
石田英敬 (2019年3月末まで、東京大学大学院総合文化研究科教授および同大学院情報学環教授。専門は記号論、メディア論)

「見えない」テクノロジーの文字は、今では人間の「見えた」という意識が成立するための条件になっています。この状況を石田氏はメディアの「技術的無意識」という。フランスの哲学者デリダは、この技術的無意識を「亡霊」の問題に引きつけて、アナログメディア革命以降の世界を、おびただしい亡霊が闊歩する時代と論じました。亡霊というイメージが喚起する現代のメディア環境とはいかなるものか。記号論を新たな視点から再生させた石田氏が開陳する最新メディア論。

インタビュー者について
◾️千葉雅也(ちば・まさや) 
1978年生まれ。立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授。
著書に『意味がない無意味』(河出書房新社、2018)、『思弁的実在論と現代について 千葉雅也対談集』(青土社、2018)他
◾️久保昭博(くぼ・あきひろ)
1973年生まれ。関西学院大学文学部文学言語学科教授。
著書に『表象の傷 第一次世界大戦からみるフランス文学史』(人文書院、2011)、訳書に、『なぜフィクション? ごっこ遊びからバーチャルリアリティまで』ジャン=マリー・シェフェール著、(慶應義塾大学出版会、2019)他
◾️石田英敬(いしだ・ひでたか)
1953年生まれ。2019年3月末まで、東京大学大学院総合文化研究科教授および同大学院情報学環教授。
著書に『新記号論』東浩紀と共著(ゲンロン、2019)、『大人のためのメディア論義』(ちくま新書、2016)、編著書に『デジタル・スタディーズ』全3巻(東京大学出版会、2015)他

『TASCマンスリー』2019年6月号が発行になりました

『TASCマンスリー』2019年6月号が発行になりましたのでお知らせします。
なお『TASCマンスリー』は、『談』の発行元である公益財団法人たばこ総合研究センターの機関誌(月刊)です。購読等のお問い合わせは右のメールアドレスまで→info@tasc.or.jp

2019年6月号 no.522
表紙 嗜好品を嗜む…87
久住昌之 切絵・文
『海苔の好き嫌い』

Contents
[随想]トルコ人の食卓とヨーグルト……小松香織
[新舞台言葉の花]寂光院の香……渡辺 保
[TASCサロン]「生きる意味」はどこにあるのか……泉谷閑示
[特別シリーズ 情報テクノロジーの進展がもたらす近未来社会の姿を考える]
AI時代の産業政策……中村吉明


6月号_4686

『TASCマンスリー』2019年5月号が発行になりました

『TASCマンスリー』2019年5月号が発行になりましたのでお知らせします。
なお『TASCマンスリー』は、『談』の発行元である公益財団法人たばこ総合研究センターの機関誌(月刊)です。購読等のお問い合わせは右のメールアドレスまで→info@tasc.or.jp

2019年5月号 no.521
表紙 嗜好品を嗜む…86
久住昌之 切絵・文
『ワインのボトルの大きさ』

Contents
[随想]共生社会の支援システムとは……狩俣正雄
[新舞台言葉の花]オルタリテ ……渡辺 保
[TASCサロン]テクノロジーは幸せな未来をもたらすか?……鈴木貴之
[特別シリーズ 情報テクノロジーの進展がもたらす近未来社会の姿を考える]
プラットフォーマーへのデータ集中と競争政策の課題……岡田羊祐
[特別寄稿]仕事と家族の70年……筒井淳也


5月号_4694

『TASCマンスリー』2019年4月号が発行になりました

『TASCマンスリー』2019年4月号が発行になりましたのでお知らせします。
なお『TASCマンスリー』は、『談』の発行元である公益財団法人たばこ総合研究センターの機関誌(月刊)です。購読等のお問い合わせは右のメールアドレスまで→info@tasc.or.jp

2019年4月号 no.520
表紙 嗜好品を嗜む…85
久住昌之 切絵・文
『嗜好品にもなるレンコン』

Contents
[随想]夜明けのスキャットが流れていた 60年代末の新宿の街
……本間健彦
[新舞台言葉の花]団十郎 ……渡辺 保
[TASCサロン]グローバルな社会と個人の自由……野崎亜紀子
[特別シリーズ 情報テクノロジーの進展がもたらす近未来社会の姿を考える]
テクノロジーの進化と哲学的視座――なぜ自動運転車で倫理が問題となるか?――
……岡本裕一朗

4月号_4691

談』最新号 no.114号が3月1日全国書店にて発売開始!!

感情のしくみとその応用を語り尽くす感情三部作の最終巻

感情の最新理論「自由エネルギー原理」について、乾敏郎先生が語り下ろします。
現役の内科医にして武道家、佐藤友亮先生が身体と感情の深いつながりを解き明かします。
感情公共性という未到の地平を拓く岡原正幸先生がパフォーマティブ社会学を理論化します。

no.112「感情強要社会」、no.113「感情生成…生の始まり」、そして今号の「感情身体論」。
この3冊を読むことで、現在の感情に関する議論は、ほぼカバーできると思います。



『TASCマンスリー』2019年3月号が発行になりました。

『TASCマンスリー』2019年3月号が発行になりましたのでお知らせします。
なお『TASCマンスリー』は、『談』の発行元である公益財団法人たばこ総合研究センターの機関誌(月刊)です。購読等のお問い合わせは右のメールアドレスまで→info@tasc.or.jp

2019年3月号 no.519
表紙 嗜好品を嗜む…84
久住昌之 切絵・文
『嗜好品的マスク』

Contents
[随想]日本の米からの酒造り
……堀江修二
[新舞台言葉の花]薬王香 ……渡辺 保
[TASCサロン]人生のパターンを考える――ライフコース研究の視点から
……田中洋美
[特別シリーズ 情報テクノロジーの進展がもたらす近未来社会の姿を考える]
AIの<自然>、AIへの<作為>……山本龍彦
[特別寄稿]リスク論再考……美馬達哉

3月号_4690

『談』no.114号が3月1日全国書店にて発売になります。

書店販売に先立ち、一足先に『談』ウェブサイトでは、各インタビュー者のアブストラクトとeditor's noteを公開しました。
右のメニューバーの最新号、no.114号の表紙をクリックしてください。

◉特集 感情身体論

脳科学者アントニオ・ダマシオは、これまでの脳科学の議論のほとんどが、身体の存在を考えない、いわば「首から上だけ」に終始していたことに対して強い不満を抱き、ソマティック・マーカー仮説を提起しました。脳を持たない生物はたくさんいるけれど、身体を持たない脳だけの生物は存在しない。ソマティックとは「身体」という意味ですが、情動および感情は、身体なくしては生まれなかったというのです。
生物を含む有機体にとって最も重要なことは生命の維持です。そのために生物はさまざまなホメオスタシス調整のしくみをつくり出してきました。ダマシオは、ホメオスタシス調整のうち進化的に最も高い(新しい)レベルのものが感情であり、そのすぐ下のレベルにあるのが情動だといいます。すなわち、生命維持のための生命調整にとって情動と感情は因果的につながっているのです。
そこで、情動および感情にとってなくてはならない身体に照準し、感情と身体のかかわりについて、新たな知見も踏まえながら考えます。

・〈感情と認知機能〉
感情をつくる脳…自由エネルギー原理と感情生成
乾敏郎(追手門学院大学心理学部教授、京都大学名誉教授、専門は言語・非言語コミュニケーション機能の認知神経科学的研究)

最近感情を含む脳の多くの機能を捉えるための大統一理論が提案されました。それが「自由エネルギー原理」と呼ばれる理論です。人間や動物の脳がヘルムホルツの自由エネルギーを最小化するように働くことで、知覚、認知、注意、運動などが適切に機能しているという理論です。
感情というものを理解するうえで、自分の身体の状態がわかるという脳機能が最も重要であり、あたまとからだとこころがつながっていて初めて健全な感情をもつことができると乾敏郎氏は言います。「脳が身体の状態を理解するしくみ(ヘルムホルツの無意識的推論)」と「脳が身体をうまく調整するしくみ(フリストンの能動的推論とよばれる機能)」について解説し、感情は、時々刻々と変化する身体の状態と環境(状況)の理解から生まれるという最新の感情理論を紹介します。

・〈近代医学と感情〉
身体を通して感情を整える……身体知性という発想
佐藤友亮(神戸松蔭女子学院大学准教授、合気道凱風館塾頭(会員代表)。専門は血液学の臨床と研究)

ニュースなどで医療過誤について耳にすることは少なくありません。この医療過誤、医療者の不注意やケアレスミスが原因と考えられているようだが、じつは多くの場合、疲労や焦り、患者に対して抱く嫌悪感などの感情が医師の判断をゆがめ、それが要因であることが近年わかってきました。過失の原因の大半が、「うっかりミス」よりも「状況認識の誤り」にあるというわけです。ところで、医療の現場では、西洋医学が不得意とする非分析的な判断が、重要な役割を担うことがあります。アントニオ・ダマシオは、感情形成には身体が重要で、非分析的な判断が求められる場合、しばしば身体で考えて決断しているといいます。すなわち、「結末が不確かだが、重要な判断を合理的に行うためには、身体経由の感情コントロールが大切」というのです。この身体的判断を導くための身体の役割が「身体知性」です。分析が不可能な問題や、結末が不確かな未来について判断を下す時に機能する「身体知性」。「身体知性」を紐解きながら、身体と感情の結びつき、さらには身体を通して感情を整える方法を開陳していただきます。

・〈感情とパフォーマティビティ〉
身体性と感情公共性…脱感情資本主義の実践へ
岡原正幸(慶応義塾大学文学部教授。専門は感情社会学、パフォーマティブ社会学)

感情(行動と密接で身体と共にある感情)は、文明化の過程で管理の対象にされ、商品化などを通じて感情労働などへ変質する。さらに社会階層に条件付けられた感情管理の技法は、自己運営の資本として作用します。しかし、そこで生み出される感情は、ありきたりで合理化され、ポストエモーション(身体性を伴わない「標本」のような感情)でしかありません。私たちが今やらなければならないことは、感情管理王国の風通しを良くすることです。単なる感情の吐露ではなく、単なる合理的な討議でもなく、生の全体性をすくい上げ、かつその都度見せられるメンバーの苦難を克服する社会空間を、岡原正幸氏は、感情公共性と名付けました。感情を公共の場に登場させること。重要なのは、そこでいう感情は、あくまでも身体とともに在る感情だということです。身体性を伴う感情の表出あるいは感情公共性。感情資本主義の外に出ることはいかにして可能か。その試みは、必然的にパフォーマティブな実践行為となるでしょう。

インタビュー者について
乾敏郎(いぬい・としお)
1950年生まれ。追手門学院大学心理学部教授、京都大学名誉教授
著書に『感情とはそもそも何なのか…現代科学で読み解く感情のしくみと障害』(ミネルヴァ書房、2018)、『イメージ脳』(岩波書店、2009)他。

佐藤友亮(さとう・ゆうすけ)
1971年生まれ。神戸松蔭女子学院大学准教授、合気道凱風館塾頭(会員代表)
著書に『身体知性…医師が見つけた身体と感情の深いつながり』(朝日新聞出版、2017)他。

岡原正幸(おかはら・まさゆき)
1957年生まれ。慶応義塾大学文学部教授
著書に『感情を生きる…パフォーマティブ社会学へ』(慶応義塾大学三田学会、2014)、『感情資本主義に生まれて…感情と身体の新たな地平を模索する』(慶応義塾大学三田学会、2013)他。

談no.114 感情身体論
乾 敏郎
水曜社
2019-03-01


『TASCマンスリー』2019年2月号が発行になりましたのでお知らせします。

『TASCマンスリー』2019年2月号が発行になりましたのでお知らせします。
なお『TASCマンスリー』は、『談』の発行元である公益財団法人たばこ総合研究センターの機関誌(月刊)です。購読等のお問い合わせは右のメールアドレスまで→info@tasc.or.jp

2019年2月号 no.518
表紙 嗜好品を嗜む…83
久住昌之 切絵・文
『決して嗜好品でない帽子』

Contents
[随想]ニッポンの肉食 ……田中康弘
[新舞台言葉の花]お埒という女 ……渡辺 保
[TASCサロン]書物が書(書に×を重ねる)物になる……大澤 聡
[特別シリーズ 情報テクノロジーの進展がもたらす近未来社会の姿を考える]
きたるべき人工知能の時代へ……松原 仁

IMG_3899

『TASCマンスリー』2019年1月号が発行になりましたのでお知らせします。

『TASCマンスリー』2019年1月号が発行になりましたのでお知らせします。
なお『TASCマンスリー』は、『談』の発行元である公益財団法人たばこ総合研究センターの機関誌(月刊)です。購読等のお問い合わせは右のメールアドレスまで→info@tasc.or.jp

2019年1月号 no.517
表紙 嗜好品を嗜む…82
久住昌之 切絵・文
『鉢巻をする意味』

Contents
[随想]〈夢は夜ひらく〉の経済学 ……木下 斉
[新舞台言葉の花]明治村 ……渡辺 保
[TASCサロン]細胞政治という磁場
新たなる生の選別=線引きをめぐって……粥川準二
[特別シリーズ 情報テクノロジーの進展がもたらす近未来社会の姿を考える]
AI時代の組織論……太田 肇

IMG_3857



Monthly article
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:



『談』とは
 
●最新号

No.127
自動化のジレンマ
 
●バックナンバー
No.93以前のバックナンバーにつきましては、アルシーヴ社(03- 5779-8356)に問い合わせください。

No.126
リズムのメディウム

No.125
ゆらぐハーモニー…調性・和声・響き

No.124
声のポリフォニー…グルーヴ・ラップ・ダイアローグ

No.123
システムチェンジ……アソシエーション、グローバル・タックス、ジャスティス
 
 
●別冊

Shikohin world 酒

Shikohin world たばこ

Shikohin world コーヒー
 
『談』アーカイブス