『TASCマンスリー』2019年3月号が発行になりました。

『TASCマンスリー』2019年3月号が発行になりましたのでお知らせします。
なお『TASCマンスリー』は、『談』の発行元である公益財団法人たばこ総合研究センターの機関誌(月刊)です。購読等のお問い合わせは右のメールアドレスまで→info@tasc.or.jp

2019年3月号 no.519
表紙 嗜好品を嗜む…84
久住昌之 切絵・文
『嗜好品的マスク』

Contents
[随想]日本の米からの酒造り
……堀江修二
[新舞台言葉の花]薬王香 ……渡辺 保
[TASCサロン]人生のパターンを考える――ライフコース研究の視点から
……田中洋美
[特別シリーズ 情報テクノロジーの進展がもたらす近未来社会の姿を考える]
AIの<自然>、AIへの<作為>……山本龍彦
[特別寄稿]リスク論再考……美馬達哉

3月号_4690

『談』no.114号が3月1日全国書店にて発売になります。

書店販売に先立ち、一足先に『談』ウェブサイトでは、各インタビュー者のアブストラクトとeditor's noteを公開しました。
右のメニューバーの最新号、no.114号の表紙をクリックしてください。

◉特集 感情身体論

脳科学者アントニオ・ダマシオは、これまでの脳科学の議論のほとんどが、身体の存在を考えない、いわば「首から上だけ」に終始していたことに対して強い不満を抱き、ソマティック・マーカー仮説を提起しました。脳を持たない生物はたくさんいるけれど、身体を持たない脳だけの生物は存在しない。ソマティックとは「身体」という意味ですが、情動および感情は、身体なくしては生まれなかったというのです。
生物を含む有機体にとって最も重要なことは生命の維持です。そのために生物はさまざまなホメオスタシス調整のしくみをつくり出してきました。ダマシオは、ホメオスタシス調整のうち進化的に最も高い(新しい)レベルのものが感情であり、そのすぐ下のレベルにあるのが情動だといいます。すなわち、生命維持のための生命調整にとって情動と感情は因果的につながっているのです。
そこで、情動および感情にとってなくてはならない身体に照準し、感情と身体のかかわりについて、新たな知見も踏まえながら考えます。

・〈感情と認知機能〉
感情をつくる脳…自由エネルギー原理と感情生成
乾敏郎(追手門学院大学心理学部教授、京都大学名誉教授、専門は言語・非言語コミュニケーション機能の認知神経科学的研究)

最近感情を含む脳の多くの機能を捉えるための大統一理論が提案されました。それが「自由エネルギー原理」と呼ばれる理論です。人間や動物の脳がヘルムホルツの自由エネルギーを最小化するように働くことで、知覚、認知、注意、運動などが適切に機能しているという理論です。
感情というものを理解するうえで、自分の身体の状態がわかるという脳機能が最も重要であり、あたまとからだとこころがつながっていて初めて健全な感情をもつことができると乾敏郎氏は言います。「脳が身体の状態を理解するしくみ(ヘルムホルツの無意識的推論)」と「脳が身体をうまく調整するしくみ(フリストンの能動的推論とよばれる機能)」について解説し、感情は、時々刻々と変化する身体の状態と環境(状況)の理解から生まれるという最新の感情理論を紹介します。

・〈近代医学と感情〉
身体を通して感情を整える……身体知性という発想
佐藤友亮(神戸松蔭女子学院大学准教授、合気道凱風館塾頭(会員代表)。専門は血液学の臨床と研究)

ニュースなどで医療過誤について耳にすることは少なくありません。この医療過誤、医療者の不注意やケアレスミスが原因と考えられているようだが、じつは多くの場合、疲労や焦り、患者に対して抱く嫌悪感などの感情が医師の判断をゆがめ、それが要因であることが近年わかってきました。過失の原因の大半が、「うっかりミス」よりも「状況認識の誤り」にあるというわけです。ところで、医療の現場では、西洋医学が不得意とする非分析的な判断が、重要な役割を担うことがあります。アントニオ・ダマシオは、感情形成には身体が重要で、非分析的な判断が求められる場合、しばしば身体で考えて決断しているといいます。すなわち、「結末が不確かだが、重要な判断を合理的に行うためには、身体経由の感情コントロールが大切」というのです。この身体的判断を導くための身体の役割が「身体知性」です。分析が不可能な問題や、結末が不確かな未来について判断を下す時に機能する「身体知性」。「身体知性」を紐解きながら、身体と感情の結びつき、さらには身体を通して感情を整える方法を開陳していただきます。

・〈感情とパフォーマティビティ〉
身体性と感情公共性…脱感情資本主義の実践へ
岡原正幸(慶応義塾大学文学部教授。専門は感情社会学、パフォーマティブ社会学)

感情(行動と密接で身体と共にある感情)は、文明化の過程で管理の対象にされ、商品化などを通じて感情労働などへ変質する。さらに社会階層に条件付けられた感情管理の技法は、自己運営の資本として作用します。しかし、そこで生み出される感情は、ありきたりで合理化され、ポストエモーション(身体性を伴わない「標本」のような感情)でしかありません。私たちが今やらなければならないことは、感情管理王国の風通しを良くすることです。単なる感情の吐露ではなく、単なる合理的な討議でもなく、生の全体性をすくい上げ、かつその都度見せられるメンバーの苦難を克服する社会空間を、岡原正幸氏は、感情公共性と名付けました。感情を公共の場に登場させること。重要なのは、そこでいう感情は、あくまでも身体とともに在る感情だということです。身体性を伴う感情の表出あるいは感情公共性。感情資本主義の外に出ることはいかにして可能か。その試みは、必然的にパフォーマティブな実践行為となるでしょう。

インタビュー者について
乾敏郎(いぬい・としお)
1950年生まれ。追手門学院大学心理学部教授、京都大学名誉教授
著書に『感情とはそもそも何なのか…現代科学で読み解く感情のしくみと障害』(ミネルヴァ書房、2018)、『イメージ脳』(岩波書店、2009)他。

佐藤友亮(さとう・ゆうすけ)
1971年生まれ。神戸松蔭女子学院大学准教授、合気道凱風館塾頭(会員代表)
著書に『身体知性…医師が見つけた身体と感情の深いつながり』(朝日新聞出版、2017)他。

岡原正幸(おかはら・まさゆき)
1957年生まれ。慶応義塾大学文学部教授
著書に『感情を生きる…パフォーマティブ社会学へ』(慶応義塾大学三田学会、2014)、『感情資本主義に生まれて…感情と身体の新たな地平を模索する』(慶応義塾大学三田学会、2013)他。

談no.114 感情身体論
乾 敏郎
水曜社
2019-03-01


『TASCマンスリー』2019年2月号が発行になりましたのでお知らせします。

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2019年2月号 no.518
表紙 嗜好品を嗜む…83
久住昌之 切絵・文
『決して嗜好品でない帽子』

Contents
[随想]ニッポンの肉食 ……田中康弘
[新舞台言葉の花]お埒という女 ……渡辺 保
[TASCサロン]書物が書(書に×を重ねる)物になる……大澤 聡
[特別シリーズ 情報テクノロジーの進展がもたらす近未来社会の姿を考える]
きたるべき人工知能の時代へ……松原 仁

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『TASCマンスリー』2019年1月号が発行になりましたのでお知らせします。

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2019年1月号 no.517
表紙 嗜好品を嗜む…82
久住昌之 切絵・文
『鉢巻をする意味』

Contents
[随想]〈夢は夜ひらく〉の経済学 ……木下 斉
[新舞台言葉の花]明治村 ……渡辺 保
[TASCサロン]細胞政治という磁場
新たなる生の選別=線引きをめぐって……粥川準二
[特別シリーズ 情報テクノロジーの進展がもたらす近未来社会の姿を考える]
AI時代の組織論……太田 肇

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『TASCマンスリー』2018年12月号が発行になりましたのでお知らせします。

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2018年12月号 no.516
表紙 嗜好品を嗜む…81
久住昌之 切絵・文
『成長と嗜好品』

Contents
[随想]謎解きとしての「まち歩き」 ……茶谷幸治
[新舞台言葉の花]京都南座 ……渡辺 保
[TASCサロン]運動とメンタルヘルスの深い関係
:身体的健康だけでは物足りない方へ……盡和至
[特別シリーズ 情報テクノロジーの進展がもたらす近未来社会の姿を考える]
人工知能と社会のこれから……栗原 聡

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『TASCマンスリー』2018年11月号が発行になりましたのでお知らせします。

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2018年11月号No.515
表紙 嗜好品を嗜む…80
久住昌之 切り絵・文
『辛いもの好きは、若い証拠?』
Contents
[随想]貧者の牝牛……槇原 茂
[新舞台言葉の花]「河内山の線香立て」……渡辺 保
[TASCサロン] なぜ私たちは見つめ合うことを避けるようになったのか……大浦康介
[特別シリーズ AI農業……神成淳司
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『談』no.113号が11月1日全国書店にて発売になります。

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感情には、一つの特殊な性質があり、この性質によって気分や知覚から区別されます。すなわち、感情を惹き起こす原因となるものがなんであるとしても、感情がこころに生じるためには、感情の原因となる事柄が「私」のありかたとの関連においてその都度あらかじめ把握されていなければならないからです。哲学者の清水真木氏によれば、ここが感情を知覚や気分から区別する重要な要点で、感情とは、「私とは何か」を教えてくれるものであり、「私とは何者か」という問いに対する答えは、感情として与えられるというところに大きな特徴があるというのです。感情それ自体が両義性の賜物なのでしょう。
発達心理学者ヴィゴツキーは、知的発達のダイナミズムを最近接領域と捉えました。今まさに成熟しつつある機能のことであり、未完了の発達水準を示しています。感情とは何か。それは、「私」という存在の最近接領域であり、「生」が始まる場のことです。感情を感情その自体として把握すること。感情生成論の誕生です。

・〈赤ちゃん学と感情〉
感情の誕生…赤ちゃんはいつから感情をもつようになるのか
板倉昭二氏(京都大学大学院文学研究科教授、専門は発達科学)

近年の赤ちゃん学は、赤ちゃんの知られざる能力をさまざまな方法で明らかにしてきました。赤ちゃんは、物理的法則に基づいた知識をもっており、物理的な推論を行うこともわかってきました。また、ヒトが発する信号に対して高い感受性をもっていることもわかってきました。赤ちゃんは、最初の誕生日を迎えるまでには、他者の感情情報を読み取り、自分の行動を調整できるようになるといいます。また、基本的な良いおこない悪いおこないもなんとなくはわかっているようです。さらには、他者が適切に反応してくれる社会的パートナーかどうかも検知しており、他者と注意を共有しようとする能力もみられるといいます。
では、赤ちゃんはどのように感情を表出するのでしょうか。また、どのように感情を理解するの手出しょうか。赤ちゃんの感情生成について、赤ちゃん学の最新理論を踏まえ考察します。

・〈脳と感情〉
感情はどこにあるのか…二つの脳から考える
渡辺正峰氏(東京大学大学院工学系研究科准教授、ドイツ・マックス・ブランク研究所客員研究員。専門は脳科学)

生物の脳には何らかの自然則によって意識が生じているようです。では機械に意識はあるのでしょうか。それを身をもって検証しようというのが渡辺正峰氏です。分離脳という考え方があります。右脳と左脳が切断された時、二つの意識が生じているといいます。この知見から、われわれの意識は、普段は右脳と左脳の統合によって生み出されているというのです。このことから、次のような実験の可能性が考えられます。左右の脳を外科的に分離し、片方はそのままに、もう片方を電算機に接続する。その時、電算機=機械の脳の見ている世界が見えるはずで、それはまさに機械の意識を認知したことになるのではないかと。また同様に、それは人間の脳では意識はどのように立ち上がるのかを明らかにもしてくれるのではないかと。
分離脳というアイデアが提供する意識の世界、そしてその先にある感情の世界に、脳科学はどのような知見を得ることができるでしょうか。

・〈感情の哲学〉
感情と情動…自己が自己を物語る時
信原幸弘氏(東京大学大学院総合文化研究科教授。専門は科学哲学、心の哲学)

『情動の哲学入門』で、あえて「感情」を使わず「情動」という言葉を使うのは、情動という言葉には、無数の名もなき情動たちが含まれているからだと著者・信原幸宏氏は言います。世界の価値的なあり方を身体的に感じ取る心の状態をすべて包摂するために、意識的に心に感じる状態だけを意味する「感情」では十分に言い表せないというのです。
自己物語、すなわち自分で語る自分の人生の物語について、情動はそれに欠かせない重要な役割を担っています。われわれは情動の力で自己物語を紡ぎ出しながら、その物語を生きていく。われわれは、自分の情動能力の範囲内で可能な自己物語を生きるしかありません。たとえそれがフィクション化を伴うとしても、それがわれわれにとって実際に紡ぎだすことのできる最も有意味な物語であり、その物語を生きることがわれわれにとって実際に営むことができる最も豊かな生なのだと信原氏は言います。
自己が自己を物語る生きる場としての自己について、それと深くかかわる情動(感情)との関連から考察します。

『TASCマンスリー』2018年10月号が発行になりましたのでお知らせします。

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2018年10月号No.514
表紙 嗜好品を嗜む…79
久住昌之 切り絵・文
『舞台上の食べ物』
Contents
[随想]ポリネシア人、ラグビーの申し子のごとき人たち……片山一道
[新舞台言葉の花]「評伝 鶴屋南北」……渡辺 保
[TASCサロン] 対立や葛藤から未来への変化を生み出す
―戦略的コンフリクト変容への招待……石原明子
[特別シリーズ 情報テクノロジーの進展がもたらす近未来社会の姿を考える]
すまいまわりのIoTに係わる三つの課題……野城智也
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『TASCマンスリー』2018年09月号が発行になりましたのでお知らせします。

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2018年09月号No.513
表紙 嗜好品を嗜む…78
久住昌之 切り絵・文
『サングラスはオシャレ?』
Contents
[随想]現代社会とキャリア教育……小泉令三
[新舞台言葉の花]「シガレット・バー」……渡辺 保
[TASCサロン] 人と言葉とその外側……柏端達也
[特別シリーズ 情報テクノロジーの進展がもたらす近未来社会の姿を考える]
ビッグデータ、AI時代に独占禁止法はどう立ち向かうか。……林秀弥
[特別寄稿] 歴史と文化のなかの嗜好品……高田公理

ちなみに、今回の表紙切り絵のモデルは久住画伯のご子息とのことです。

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『TASCマンスリー』2018年08月号が発行になりましたのでお知らせします。

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2018年08月号No.512
表紙 嗜好品を嗜む…77
久住昌之 切り絵・文
『ピアノへの憧憬』
Contents
[随想]家庭の中の出来合いの味……阿古真理
[新舞台言葉の花]「印籠」……渡辺 保
[TASCサロン] 非人間化―人として尊重しないこと―をめぐって……唐沢かおり
[特別シリーズ 情報テクノロジーの進展がもたらす近未来社会の姿を考える]
人工知能(AI)時代に、企業は、何をすべきか?……武藤佳恭IMG_3442
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ゼロ度の隔たり……ガラス・イメージ論
 
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No.115
新虚実皮膜論…アウラの消滅/再生
 

No.114
感情身体論
 

No.113
感情生成…生の始まり
 

No.112
感情強要社会
 
 
 
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