『TASCマンスリー』2020年3月号が発行になりました

『TASCマンスリー』2020年3月号が発行になりましたのでお知らせします。
なお『TASCマンスリー』は、『談』の発行元である公益財団法人たばこ総合研究センターの機関誌(月刊)です。購読等のお問い合わせは右のメールアドレスまで→info@tasc.or.jp

2020年3月号 no.531
表紙 嗜好品を嗜む…96
久住昌之 切絵・文
『コンタクトレンズは嗜好品を目指す』

Contents
[随想]ハバナの顔……港 千尋
[TASCサロン]アジールの変容と近世駆込寺の機能……佐藤孝之
[特別寄稿]嗜好品と文学―― コーヒー沸かしが注いだ恋は……雑賀恵子

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『談』no.117号が3月1日に全国書店にて発売になります。

書店販売に先立ち、一足先に『談』ウェブサイトでは、各インタビュー者のアブストラクトとeditor's noteを公開しました。
右のメニューバーの最新号、no.117号の表紙をクリックしてください。

no.115より始まったシリーズ企画「虚、擬、戯」の最終回。最新物理学が解く虚、擬、戯の世界。
量子力学の世界には、神に比せられる普遍的な観察者は存在しません。であるとすれば、量子力学的な態度のなかには、個別性への関心が支配的であって、普遍性への志向は失われているのか、といえば、事態はまったく逆です。たとえば、量子力学的な観察を通じて、われわれは粒子としての物質を捉えることになります。しかし、われわれはそれがすべてではないことをすでに知っています。つまり、波動としての半面を知っているのです。観察者を通じて、「このX」を捉えた時、われわれは同時に、「このX以上の何か」「このX以外の何か」を直感します。このように、単一性についての体験のなかに常に随伴する、「これですべてではない」「これ以上の何かがある」という残余の感覚をもつ。このことが、普遍性への通路となる、と社会学者・大澤真幸氏は言います。
量子力学にあっては、真空でさえも単なる無ではない。真空もまた、「それ以上の何か」であって、そこでは、ゆらぎを通じて物質が出現したり、消滅したりを繰り返している。これと対応することを、われわれは、親しい〈他者〉が亡くなった時に体験します。この部屋には、もう彼/彼女はいない(真空)。ただ、彼/彼女が使っていたシャープペンシルやベッドがある。この時、ますますわれわれは、彼/彼女の現前を感じ取ってしまう。無に対する残余として、〈他者〉の実在をむしろ強く感覚するのです。
虚、擬、戯とは、ここでいう残余の感覚に他なりません。時間もしくは因果(法則)には、この残余の感覚、すなわち、虚、擬、戯として表出するいわば「このX以上の何か」が漏れ出ているのです。そして、「このX以上の何か」が漏れ出ていることによって、人間界の秩序は維持されています。「虚、擬、戯」は、その意味で普遍性の通路となっている。因果論を凝視する意味も、ここにあるのです。

〈時間とは何か〉
時間は巨大な構造物の一部にすぎない…最新物理学から〈時〉の正体に迫る
松浦壮(慶應義塾大学商学部 自然科学研究教育センター教授。専門は、素粒子物理学、超対称性、超弦理論、格子理論)
人間は、心臓なら心臓、皮膚なら皮膚というように、からだを構成するさまざまな部分が、それぞれ固有の役割を果たすことで命をつないでいる。その一方でからだをつくるあらゆる細胞は同じDNAを共有している。このDNAは、ひとつの受精卵に由来していて、発生の過程で、その細胞がからだのどこにあるかによって役割が固定される。最初から役割が決まっているわけではない。iPS細胞も、細胞の固定化された役割がリセットされて、あらゆる細胞に分化する能力を取り戻せるという点が注目されたのだ。物理学の最前線では、時間・空間・物質・力のすべてに共通するDNAに、今まさに触れようとしているのであって、このDNAこそが時間の正体なのだ。
時間とは何か、という問いの果てに見出したのは、時間が、空間・物質・力を含む巨大な構造物の一部であるという事実である。時間は独立した概念ではなく、時計に代表されるような指標(基準)でもない。時間は、「時空」・「重力」・「量子場」と刻まれた建造物を絶妙につなぐ要石であり、その建造物もさらに巨大な構築物の一部にすぎないのだ。最新物理学が探り出した時間の正体とは。

〈時間は存在しない〉
なぜ、〈時の流れは存在しない〉に至ったか…解題『時間は存在しない』
吉田伸夫(東海大学と明海大学での勤務を経て、現在、サイエンスライター。専攻は、素粒子論〈量子色力学〉)

カルロ・ロヴェッリは、物理学の最前線でループ量子重力理論を主導する物理学者ですが、昨年翻訳された『時間は存在しない』は、ループ量子重力理論に基づいて、「時間や空間が根源的ではない」という驚嘆すべき見解を発表し、世界に衝撃を与えました。ロヴェッリによれば、この世界の根源にあるのは、時間・空間に先立つネットワークであり、そこに時間の流れは存在しません。にもかかわらず、人間には、過去から未来に向かう時間の流れが当たり前の事実のように感じられるのはなぜでしょうか。時間が経過するという内的な感覚が、未来によらず過去だけにかかわる記憶の時間的非対称性に由来し、記憶とは中枢神経系におけるシナプス結合の形成と消滅という物質的なプロセスが生み出したものだというのです。過去の記憶だけが存在するのは、このプロセスがエントロピー増大の法則に従うことの直接的な帰結だとロヴェッリは論じます。現時点での時間論の最新理論である『時間は存在しない』を解題しながら、量子力学が捉えた時間の謎に迫ります。

〈時間とエピステーメー〉
量子力学が暗示する〈無知の神〉…時間と社会
大澤真幸(社会学者。専門は比較社会学、社会システム論)

量子力学が現代社会を理解し、未来社会を構想するための基本的な指針を与えるような、政治的・倫理的な含意を宿していると社会学者・大澤真幸氏が主張した時、社会学に関心をもつ多くの人は、一瞬その耳を疑ったものだ。高度に抽象的で浮世離れした物理学の基礎理論である量子力学が、なぜゆえに世俗的で生臭い人間社会の政治的イデオロギーや倫理的な価値と関連しているなどと言えるのであろうか。大澤氏は言う。「量子力学という途轍もない神秘の深淵が、同時代の他の知や実践のなかにも同様に萌(きざ)していた謎  それらの知や実践の当事者すらも意識していなかった謎  を、増幅してみせる」からだと。
その倫理的・政治的な意味は、「神」のあり方に託して予告することができる。かつて神は、全知であるとされていた。全知であることは、神の本質的な属性であった。近代の科学は、人間がかつて神に帰せられていた全知へと漸近しようとする不遜な試みとみなすことができるだろう。ところが、量子力学が到り着く場所は、そうした不遜な試みが目指していたものとまったく逆の地点であった。量子力学が暗示しているのは、無知の神、無知である限りで存在する神、したがって神性の根本的な否定であるような神という逆説だった。量子力学という鏡が映し出した神とは、未来の社会とは。
写真家・新井卓の撮り下ろし最新作「重力の虹」を同時掲載。

『TASCマンスリー』2020年2月号が発行になりました

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2020年2月号 no.530
表紙 嗜好品を嗜む…95
久住昌之 切絵・文
『全ての街のバーで』

Contents
[随想]自ら醸して自ら呑む ― 雑穀の酒……落合雪野
[新舞台言葉の花]百足煙草……渡辺 保
[TASCサロン]食からアメリカを変革する―― ポストトランプ時代を読む
……鈴木 透

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『TASCマンスリー』2020年1月号が発行になりました

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2020年1月号 no.529
表紙 嗜好品を嗜む…94
久住昌之 切絵・文
『和服は嗜好品の塊』

Contents
[随想]フルコースの奇怪さ−『食べることの哲学』(世界思想社)に寄せて……檜垣立哉
[新舞台言葉の花]延べ煙管……渡辺 保
[TASCサロン]胃人生100年時代健康長寿・生涯活躍のために
〜健幸天寿キャリアデザイン〜……坂口 凛

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『TASCマンスリー』2019年12月号が発行になりました

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2019年12月号 no.528
表紙 嗜好品を嗜む…93
久住昌之 切絵・文
『ガムの近代史』

Contents
[随想]セカイ系と宿命〜社会の不在が意味するもの〜……土井隆義
[新舞台言葉の花]お祭り佐七……渡辺 保
[TASCサロン]胃袋からみる食と人びとの日常……湯澤規子
[特別シリーズ 情報テクノロジーの進展がもたらす近未来社会の姿を考える]
嗜好品文化論から見た人工知能……眦銚理
感情労働のやりくり:自己実現への煽りとライフコースにある感情労働……崎山治男

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『TASCマンスリー』2019年11月号が発行になりました

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2019年11月号 no.527
表紙 嗜好品を嗜む…92
久住昌之 切絵・文
『髭という、大人の嗜好品』

Contents
[随想]日本のスローフード〜里山の風景と命を支える人たち〜……島村菜津
[新舞台言葉の花]秀山……渡辺 保
[TASCサロン]胃袋からみる食と人びとの日常……湯澤規子
[特別シリーズ 情報テクノロジーの進展がもたらす近未来社会の姿を考える]
嗜好品文化論から見た人工知能……眦銚理

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『談』no.116号が11月1日に全国書店にて発売になります!!

書店販売に先立ち、一足先に『談』ウェブサイトでは、各インタビュー者のアブストラクトとeditor's noteを公開しました。
右のメニューバーの最新号、no.116号の表紙をクリックしてください。

特集 ゼロ度の隔たり……ガラス・イメージ論

「〈見えている〉という〈状況〉は私自身を取り込み、私を包んでの風景が〈見えている〉ということなのである。それは一つの全体的〈状況〉であり、全体的〈場〉なのだ。この全体的〈場〉の中においてのみ、ここの私とあそこの絵、あるいは目をそちらに向けている私とあそこに〈見えている〉絵、という〈関係〉が成り立ちうるのであって、それを成り立たしめている〈場〉である〈見えている〉という状態とはなんの〈関係〉でもないのである」(大森荘蔵)。

われわれの生きている現実とは、このような世界のことではないでしょうか。そして、われわれはこの場所おいて、初めて実在する「もの」たちと出会うことができるのです。透かし見ているのは「私」ではない。また、他の誰でもない。透かし見る人などどこにもいないのです。その透かし見る世界=透視風景がかくあること、そのことが「私」がかくあることであり、「私」がここにいる、ここに生きているそのことなのです。
私が「見えている」から始まるゼロ度の知覚。しかし、そこにはすでに私もいないのです。

〈ガラスと映画〉「たんに見る」ことがなぜ難しいのか。
・福尾匠(横浜国立大学博士後期課程・日本学術振興会特別研究員(DCI)。専門は、現代フランス哲学、批評)
影絵が映画のモデルとなったのは、いつ頃からでしょうか。それは端的に素朴なリアリズムであり、代わって、ガラスこそ映画ではないかと福尾匠氏は言います。ガラスは、外の景色が見えると同時にこちら側の世界も映り込む。客観的なものと主観的なものを同時に存在させてしまうガラス。映画を透明なメディウム=ガラスとして捉え直し、映画を見るとはどのような経験をいうのでしょうか、あらためて考察します。

〈ガラスと認知機能〉見えるものと見えないものの対話
・藤田一郎(大阪大学大学院生命機能研究科および脳情報通信研究センター教授。専門は、認知脳科学)
これまで、ものを見てなんであるかを意識的に感じ、それにもとづいて視覚対象に働きかけていると考えられていました。しかし、最新の脳科学研究で、見えることと見たものに働きかけることは独立した別々の出来事であることがわかってきました。見ることにおいて、「ものが見えるという主観体験が生じる」ことと、「見ることに依存して行動を起こす」ことが、あたかも協同しているように見えるのはなぜでしょうか。脳と認知機能の不思議で複雑な関係を藤田一郎氏が解き明かします。

〈ガラスとフォールスメモリー〉見られた記憶は本物なのか
・越智啓太(法政大学文学部心理学科教授。臨床心理士)
私たちは、多くの思い出をもっています。楽しい思い出もあれば、悲しい思い出もある。時には、思い出に苦しめられることもあります。思い出は、まさに人生そのものなのです。ただ、その思い出たちが「本物」かどうかいうと、じつはかなりあやしいということが、最近の記憶研究からわかってきました。記憶の書き換えでつくられるフォールスメモリーについて、視覚経験とのかかわりから考察します。

インタビュー者プロフィール
福尾匠(ふくお・たくみ)
1992年生まれ。横浜国立大学博士後期課程、日本学術振興会特別研究員。専門は、現代フランス哲学、批評。 著書に『眼がスクリーンになるとき ゼロから読むドゥルーズ「シネマ」』(フィルムアート社、2018)、論文に、「映像を歩かせる 佐々木友輔『土瀝青asphalt』および「揺動メディア論」論」(『アーギュメンツ ♯2』、2017)
藤田一郎(ふじた・いちろう)
1956年広島県生まれ。大阪大学大学院生命機能研究科および脳情報通信研究センター教授。専門は、認知脳科学 著書に『脳がつくる3D世界 立体視のなぞとしくみ』(化学同人、2015)、『「見る」とはどういうことか 脳と心の関係をさぐる』(化学同人、2007)他
越智啓太(おち・けいた)
1965年横浜生まれ。法政大学文学部心理学科教授。臨床心理士。専門は、犯罪捜査への心理学の応用。 著書に『つくられる偽りの記憶 あなたの思い出は本物か?』(化学同人、2014)、『ケースで学ぶ犯罪心理学』(北大路書房、2013)他

『TASCマンスリー』2019年10月号が発行になりました

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2019年10月号 no.526
表紙 嗜好品を嗜む…91
久住昌之 切絵・文
『野菜にうるさくなってきた』

Contents
[随想]読めるということ……川村肇
[新舞台言葉の花]私の祖父……渡辺 保
[TASCサロン]看護のなかの言葉たち……横田雅弘
[特別シリーズ 情報テクノロジーの進展がもたらす近未来社会の姿を考える]
AI時代のコモングラウンド……西田豊明

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『TASCマンスリー』2019年9月号が発行になりました

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2019年9月号 no.525
表紙 嗜好品を嗜む…90
久住昌之 切絵・文
『あなたはチョロギを知っているか』

Contents
[随想]自分が楽しむ場をつくる、まちづくり……西田 司
[新舞台言葉の花]人生の幕……渡辺 保
[TASCサロン]海外留学がキャリアと人生に与えるインパクト……横田雅弘
[特別シリーズ 情報テクノロジーの進展がもたらす近未来社会の姿を考える]
テクノ社会における技術と人間―技術による徳性の補完について―……堀内進之介

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『TASCマンスリー』2019年8月号が発行になりました

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2019年8月号 no.524
表紙 嗜好品を嗜む…89
久住昌之 切絵・文
『辛いものと、痺れるもの』

Contents
[随想]砂漠の舟~ラクダのはなし……石井智美
[新舞台言葉の花]香の見染め……渡辺 保
[TASCサロン]暗号通貨はどのように世界を変えるか?……小島寛之
[特別シリーズ 情報テクノロジーの進展がもたらす近未来社会の姿を考える]
人工知能がもたらす経済・社会的影響……馬奈木俊介
[特別寄稿]においの力−香りサービスで日本を救えるか−……東原和成

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