『談』no.116号が11月1日に全国書店にて発売になります!!

書店販売に先立ち、一足先に『談』ウェブサイトでは、各インタビュー者のアブストラクトとeditor's noteを公開しました。
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特集 ゼロ度の隔たり……ガラス・イメージ論

「〈見えている〉という〈状況〉は私自身を取り込み、私を包んでの風景が〈見えている〉ということなのである。それは一つの全体的〈状況〉であり、全体的〈場〉なのだ。この全体的〈場〉の中においてのみ、ここの私とあそこの絵、あるいは目をそちらに向けている私とあそこに〈見えている〉絵、という〈関係〉が成り立ちうるのであって、それを成り立たしめている〈場〉である〈見えている〉という状態とはなんの〈関係〉でもないのである」(大森荘蔵)。

われわれの生きている現実とは、このような世界のことではないでしょうか。そして、われわれはこの場所おいて、初めて実在する「もの」たちと出会うことができるのです。透かし見ているのは「私」ではない。また、他の誰でもない。透かし見る人などどこにもいないのです。その透かし見る世界=透視風景がかくあること、そのことが「私」がかくあることであり、「私」がここにいる、ここに生きているそのことなのです。
私が「見えている」から始まるゼロ度の知覚。しかし、そこにはすでに私もいないのです。

〈ガラスと映画〉「たんに見る」ことがなぜ難しいのか。
・福尾匠(横浜国立大学博士後期課程・日本学術振興会特別研究員(DCI)。専門は、現代フランス哲学、批評)
影絵が映画のモデルとなったのは、いつ頃からでしょうか。それは端的に素朴なリアリズムであり、代わって、ガラスこそ映画ではないかと福尾匠氏は言います。ガラスは、外の景色が見えると同時にこちら側の世界も映り込む。客観的なものと主観的なものを同時に存在させてしまうガラス。映画を透明なメディウム=ガラスとして捉え直し、映画を見るとはどのような経験をいうのでしょうか、あらためて考察します。

〈ガラスと認知機能〉見えるものと見えないものの対話
・藤田一郎(大阪大学大学院生命機能研究科および脳情報通信研究センター教授。専門は、認知脳科学)
これまで、ものを見てなんであるかを意識的に感じ、それにもとづいて視覚対象に働きかけていると考えられていました。しかし、最新の脳科学研究で、見えることと見たものに働きかけることは独立した別々の出来事であることがわかってきました。見ることにおいて、「ものが見えるという主観体験が生じる」ことと、「見ることに依存して行動を起こす」ことが、あたかも協同しているように見えるのはなぜでしょうか。脳と認知機能の不思議で複雑な関係を藤田一郎氏が解き明かします。

〈ガラスとフォールスメモリー〉見られた記憶は本物なのか
・越智啓太(法政大学文学部心理学科教授。臨床心理士)
私たちは、多くの思い出をもっています。楽しい思い出もあれば、悲しい思い出もある。時には、思い出に苦しめられることもあります。思い出は、まさに人生そのものなのです。ただ、その思い出たちが「本物」かどうかいうと、じつはかなりあやしいということが、最近の記憶研究からわかってきました。記憶の書き換えでつくられるフォールスメモリーについて、視覚経験とのかかわりから考察します。

インタビュー者プロフィール
福尾匠(ふくお・たくみ)
1992年生まれ。横浜国立大学博士後期課程、日本学術振興会特別研究員。専門は、現代フランス哲学、批評。 著書に『眼がスクリーンになるとき ゼロから読むドゥルーズ「シネマ」』(フィルムアート社、2018)、論文に、「映像を歩かせる 佐々木友輔『土瀝青asphalt』および「揺動メディア論」論」(『アーギュメンツ ♯2』、2017)
藤田一郎(ふじた・いちろう)
1956年広島県生まれ。大阪大学大学院生命機能研究科および脳情報通信研究センター教授。専門は、認知脳科学 著書に『脳がつくる3D世界 立体視のなぞとしくみ』(化学同人、2015)、『「見る」とはどういうことか 脳と心の関係をさぐる』(化学同人、2007)他
越智啓太(おち・けいた)
1965年横浜生まれ。法政大学文学部心理学科教授。臨床心理士。専門は、犯罪捜査への心理学の応用。 著書に『つくられる偽りの記憶 あなたの思い出は本物か?』(化学同人、2014)、『ケースで学ぶ犯罪心理学』(北大路書房、2013)他

『TASCマンスリー』2019年10月号が発行になりました

『TASCマンスリー』2019年10月号が発行になりましたのでお知らせします。
なお『TASCマンスリー』は、『談』の発行元である公益財団法人たばこ総合研究センターの機関誌(月刊)です。購読等のお問い合わせは右のメールアドレスまで→info@tasc.or.jp

2019年10月号 no.526
表紙 嗜好品を嗜む…91
久住昌之 切絵・文
『野菜にうるさくなってきた』

Contents
[随想]読めるということ……川村肇
[新舞台言葉の花]私の祖父……渡辺 保
[TASCサロン]看護のなかの言葉たち……横田雅弘
[特別シリーズ 情報テクノロジーの進展がもたらす近未来社会の姿を考える]
AI時代のコモングラウンド……西田豊明

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『TASCマンスリー』2019年9月号が発行になりました

『TASCマンスリー』2019年9月号が発行になりましたのでお知らせします。
なお『TASCマンスリー』は、『談』の発行元である公益財団法人たばこ総合研究センターの機関誌(月刊)です。購読等のお問い合わせは右のメールアドレスまで→info@tasc.or.jp

2019年9月号 no.525
表紙 嗜好品を嗜む…90
久住昌之 切絵・文
『あなたはチョロギを知っているか』

Contents
[随想]自分が楽しむ場をつくる、まちづくり……西田 司
[新舞台言葉の花]人生の幕……渡辺 保
[TASCサロン]海外留学がキャリアと人生に与えるインパクト……横田雅弘
[特別シリーズ 情報テクノロジーの進展がもたらす近未来社会の姿を考える]
テクノ社会における技術と人間―技術による徳性の補完について―……堀内進之介

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『TASCマンスリー』2019年8月号が発行になりました

『TASCマンスリー』2019年8月号が発行になりましたのでお知らせします。
なお『TASCマンスリー』は、『談』の発行元である公益財団法人たばこ総合研究センターの機関誌(月刊)です。購読等のお問い合わせは右のメールアドレスまで→info@tasc.or.jp

2019年8月号 no.524
表紙 嗜好品を嗜む…89
久住昌之 切絵・文
『辛いものと、痺れるもの』

Contents
[随想]砂漠の舟~ラクダのはなし……石井智美
[新舞台言葉の花]香の見染め……渡辺 保
[TASCサロン]暗号通貨はどのように世界を変えるか?……小島寛之
[特別シリーズ 情報テクノロジーの進展がもたらす近未来社会の姿を考える]
人工知能がもたらす経済・社会的影響……馬奈木俊介
[特別寄稿]においの力−香りサービスで日本を救えるか−……東原和成

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『TASCマンスリー』2019年7月号が発行になりました

『TASCマンスリー』2019年7月号が発行になりましたのでお知らせします。
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2019年7月号 no.523
表紙 嗜好品を嗜む…88
久住昌之 切絵・文
『カフェで日本茶さ』

Contents
[随想]給食の未来……藤原辰史
[新舞台言葉の花]桜三景……渡辺 保
[TASCサロン]選択のメカニズム……小山和伸
[特別シリーズ 情報テクノロジーの進展がもたらす近未来社会の姿を考える]
IoTとビジネス……三木良雄

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『談』no.115号が7月1日に全国書店にて発売になります

書店販売に先立ち、一足先に『談』ウェブサイトでは、各インタビュー者のアブストラクトとeditor's noteを公開しました。
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◉新虚実皮膜論……アウラの消滅と再生

内容紹介
人形浄瑠璃・歌舞伎の脚本作者である近松門左衛門の芸術論「虚実皮膜論」はすでに検証し尽くされたといわれています。しかし、そうでしょうか。この虚の意味するものは、いまだ大いなる謎としてわれわれの眼前に横たわっているです。われわれはそこに一つの補助線を引いてみます。ベンヤミンの重要な概念であるアウラの導入です。「いま・ここ」にしかない特有の一回性。複製技術の時代においてアウラは雲散霧消したかに見えました。ところが、アウラは生きていたのです。どこに? 皮と肉の間に。フィクションという新たな顔をもって。虚と実、その境界で戯れることの愉快  。

〈虚実皮膜と現代思想〉
虚/実の交錯……相対主義への内在

千葉雅也(立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授。専門は哲学、表象文化論)

現代のネット社会が、接続過剰で息苦しさを増し、圧迫的なコミュニケーションに陥っていくならば、それに対抗する別のコミュニケーションが必要です。そこで「接続〈と〉切断」を両義的にもつコミュニケーション、つまり適度に切断しながらもつながり続ける具体的な方法として千葉氏が挙げるのが「儀礼的社交」です。接続過剰の状況に風穴を開ける儀礼的社交的空間。「虚」と「実」が反転する空間で、儀礼的社交空間をいかにして組織するか。

〈虚実皮膜とミメーシス〉
フィクション、現実を宙づりにする
久保昭博(関西学院大学文学部文学言語学科教授。文学博士。専門は、文学理論、フランス文学)

なぜ人は、フィクション的な活動に好んで身を委ねるのでしょうか。あるいは逆に、なぜその行為を忌避する伝統があるのでしょうか。それまでのフィクションをめぐる議論を一新したのが、ジャン=マリー・シェフェールの『なぜフィクションか?』です。一言で言えは、フィクションとは人類に普遍的に備わる「心的能力」です。本書の訳者であり紹介者である久保氏によれば、この心的能力、すなわちフィクション能力は、端的にミメーシス(模倣・再現)をある特定の仕方で用いる能力であり、フィクションとは、「共有された遊戯的偽装」であると提起します。このきわめて「人間的」な営みであるフィクションについて、人間学的観点から考察します。

〈虚実皮膜とデジタルメディア〉
亡霊としてのメディア……模倣と感染
石田英敬 (2019年3月末まで、東京大学大学院総合文化研究科教授および同大学院情報学環教授。専門は記号論、メディア論)

「見えない」テクノロジーの文字は、今では人間の「見えた」という意識が成立するための条件になっています。この状況を石田氏はメディアの「技術的無意識」という。フランスの哲学者デリダは、この技術的無意識を「亡霊」の問題に引きつけて、アナログメディア革命以降の世界を、おびただしい亡霊が闊歩する時代と論じました。亡霊というイメージが喚起する現代のメディア環境とはいかなるものか。記号論を新たな視点から再生させた石田氏が開陳する最新メディア論。

インタビュー者について
◾️千葉雅也(ちば・まさや) 
1978年生まれ。立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授。
著書に『意味がない無意味』(河出書房新社、2018)、『思弁的実在論と現代について 千葉雅也対談集』(青土社、2018)他
◾️久保昭博(くぼ・あきひろ)
1973年生まれ。関西学院大学文学部文学言語学科教授。
著書に『表象の傷 第一次世界大戦からみるフランス文学史』(人文書院、2011)、訳書に、『なぜフィクション? ごっこ遊びからバーチャルリアリティまで』ジャン=マリー・シェフェール著、(慶應義塾大学出版会、2019)他
◾️石田英敬(いしだ・ひでたか)
1953年生まれ。2019年3月末まで、東京大学大学院総合文化研究科教授および同大学院情報学環教授。
著書に『新記号論』東浩紀と共著(ゲンロン、2019)、『大人のためのメディア論義』(ちくま新書、2016)、編著書に『デジタル・スタディーズ』全3巻(東京大学出版会、2015)他

『TASCマンスリー』2019年6月号が発行になりました

『TASCマンスリー』2019年6月号が発行になりましたのでお知らせします。
なお『TASCマンスリー』は、『談』の発行元である公益財団法人たばこ総合研究センターの機関誌(月刊)です。購読等のお問い合わせは右のメールアドレスまで→info@tasc.or.jp

2019年6月号 no.522
表紙 嗜好品を嗜む…87
久住昌之 切絵・文
『海苔の好き嫌い』

Contents
[随想]トルコ人の食卓とヨーグルト……小松香織
[新舞台言葉の花]寂光院の香……渡辺 保
[TASCサロン]「生きる意味」はどこにあるのか……泉谷閑示
[特別シリーズ 情報テクノロジーの進展がもたらす近未来社会の姿を考える]
AI時代の産業政策……中村吉明


6月号_4686

『TASCマンスリー』2019年5月号が発行になりました

『TASCマンスリー』2019年5月号が発行になりましたのでお知らせします。
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2019年5月号 no.521
表紙 嗜好品を嗜む…86
久住昌之 切絵・文
『ワインのボトルの大きさ』

Contents
[随想]共生社会の支援システムとは……狩俣正雄
[新舞台言葉の花]オルタリテ ……渡辺 保
[TASCサロン]テクノロジーは幸せな未来をもたらすか?……鈴木貴之
[特別シリーズ 情報テクノロジーの進展がもたらす近未来社会の姿を考える]
プラットフォーマーへのデータ集中と競争政策の課題……岡田羊祐
[特別寄稿]仕事と家族の70年……筒井淳也


5月号_4694

『TASCマンスリー』2019年4月号が発行になりました

『TASCマンスリー』2019年4月号が発行になりましたのでお知らせします。
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2019年4月号 no.520
表紙 嗜好品を嗜む…85
久住昌之 切絵・文
『嗜好品にもなるレンコン』

Contents
[随想]夜明けのスキャットが流れていた 60年代末の新宿の街
……本間健彦
[新舞台言葉の花]団十郎 ……渡辺 保
[TASCサロン]グローバルな社会と個人の自由……野崎亜紀子
[特別シリーズ 情報テクノロジーの進展がもたらす近未来社会の姿を考える]
テクノロジーの進化と哲学的視座――なぜ自動運転車で倫理が問題となるか?――
……岡本裕一朗

4月号_4691

談』最新号 no.114号が3月1日全国書店にて発売開始!!

感情のしくみとその応用を語り尽くす感情三部作の最終巻

感情の最新理論「自由エネルギー原理」について、乾敏郎先生が語り下ろします。
現役の内科医にして武道家、佐藤友亮先生が身体と感情の深いつながりを解き明かします。
感情公共性という未到の地平を拓く岡原正幸先生がパフォーマティブ社会学を理論化します。

no.112「感情強要社会」、no.113「感情生成…生の始まり」、そして今号の「感情身体論」。
この3冊を読むことで、現在の感情に関する議論は、ほぼカバーできると思います。



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『談』とは
 
●最新号

No.116
ゼロ度の隔たり……ガラス・イメージ論
 
●バックナンバー
No.93以前のバックナンバーにつきましては、アルシーヴ社(03- 5779-8356)に問い合わせください。

No.115
新虚実皮膜論…アウラの消滅/再生
 

No.114
感情身体論
 

No.113
感情生成…生の始まり
 

No.112
感情強要社会
 
 
 
●別冊

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